青パパイヤ凍結乾燥技術の誕生


 青パパイヤの力を生かした健康食品を製造するには、凍結乾燥という特別な技術が必要になってきます。同時に、低温殺菌など酵素を失活させない新しい殺菌技術が求められます。しかし、青パパイヤの生の力を生かすには通常の乾燥工場での加工は難しく、世界のどの地域でも「青パパイヤの凍結乾燥」が実現していませんでした。
 プロジェクトチームによって誕生した「青パパイヤ凍結乾燥技術」は、世界初の技術として評価されています。生きた酵素を残す青パパイヤの凍結乾燥技術は、それほど難しい技術といえます。
 昨今の酵素ブームの中で、加熱処理した液体や錠剤・顆粒・ソフトカプセルに酵素が含まれているような表現が存在しています。タンパク質の一種である酵素は、熱変性して失活していきます。
 本当に酵素が含まれているとするなら、何という酵素がどれくらい存在しているか、科学的な分析結果を確認する必要があるでしょう。



青パパイヤの性質
 世界各地で「健康長寿」を支えるとして青パパイヤの食文化が定着している一番の理由は、タンパク質を分解(消化)する力が強いからです。
 収穫直後の青パパイヤを擦りおろし、 牛肉に水を少量加えて加熱処理をすると、牛肉がアミノ酸に分解されていくことを確かめることができます。この場合、加熱処理後はタンパク質を分解する酵素が失活してしまい、牛肉を追加しても全く変化が見られません。

 青パパイヤが持っているタンパク質分解酵素は、かなり高温でも分解力を発揮します。しかし、加熱後は酵素の力が失活してしまうことを知っておく必要があります。

 また、収穫直後の青パパイヤの皮にキズをつけると、酵素を含んだ乳液が出てきます。
 沖縄地方では、青パパイヤは別名乳うりと呼ばれています。産後の女性が食べるとお乳の出が良くなるとも伝えられ、現在でもそうした食文化は続いています。

 収穫4日後の青パパイヤの皮にキズをつけてみました。全く乳液は出てきません。
 青パパイヤは、収穫後24時間以内に加工する必要があります。 それほど自己消化の激しい性質を持っています。

 また最も大切な酵素類は、加熱・加圧などによって機能が著しく失活してしまいます。
 青パパイヤに含まれている酵素を利用するには、40℃以下での乾燥技術と、酵素を失活させない殺菌技術が必要になってきます。栄養価の高い青パパイヤは、すぐに雑菌が繁殖しやすいため、特別な殺菌技術が必要です。



青パパイヤ凍結乾燥粉末の分析例

<分析依頼>一般財団法人日本食品分析センター

その1:酵素
 青パパイヤに含まれる酵素の分析方法として、「パパイン力価」という方法があります。健康食品では、このパパイン力価による分析結果を表示することが認められています。
 人が食べ物で摂取するのは消化酵素であって、代謝酵素を食べ物で摂取することはありません。代謝酵素は、全て遺伝子の指令によって体内合成されています。 パパイン力価で示される消化酵素は、タンパク質を分解するプロテアーゼと呼ばれる仲間の酵素です。

(分析結果例1)パパイン力価
分析試験項目 結 果 方 法
パパイン力価 1.5×104単位/g カゼイン活性法
※カゼイン(乳製)を基質とし、88℃・PH6.0において、反応初期の1分間に1㎍の
 L-チロシンに相当する波長275nmの吸光度を増加させる活性を1単位とした。


その2:β-カロテンとビタミンA、ビタミンC
 パパイヤのような熱帯性植物は、強い直射日光に含まれる紫外線によって植物体内に活性酸素が発生しやすいため、活性酸素抑制物質を多く含んでいます。青パパイヤには、代表的な活性酸素の抑制物質であるβ-カロテンが多く含まれていることで知られています。 特に凍結乾燥した場合、生が濃縮されて約5~6倍のβ-カロテンを確保することができます。人の体内では、摂取したβ-カロテンが必要に応じてビタミンAに変換され、ビタミンAの過剰摂取が発生しない仕組みになっています。
 さらに、青パパイヤにはビタミンCも含まれています。天然のビタミン類は補酵素としての役割があり、人の代謝酵素の働きを助けます。

(分析結果例2)カロテン(α、β)、ビタミンA(レチノール当量)
分析試験項目 結 果 方 法
α-カロテン 40㎍/100g 高速液体クロマトグラフ法
β-カロテン 1610㎍/100g 高速液体クロマトグラフ法
ビタミンA 136㎍/100g (注)
※注:α-カロテン24㎍およびβ-カロテン12㎍をそれぞれレチノール当量1㎍とした。

(分析結果例3)ビタミンC
分析試験項目 結 果 方 法
ビタミンC(アスコルビン酸) 103㎍/100g 高速液体クロマトグラフ法



その3:水溶性ペクチン(パパイヤペクチン)
 青パパイヤには、パパイヤペクチンと呼ばれる水溶性ペクチンが多く含まれています。生の青パパイヤを凍結乾燥した場合、濃縮されて約4倍の水溶性ペクチンを確保することができます。
 人の腸内には多くの微生物が住んでおり、まるでお花畑(フローラ)のようだと表現されています。これは専門的には腸内フローラと呼ばれ、人の生命を支える重要な役割を果たしていることが分かってきました。

 特に、腸内フローラの善玉菌の代表であるビフィズス菌(乳酸菌の仲間)の活動を盛んにすることが大切であるとされています。
 ビフィズス菌は、食物繊維の一種である水溶性ペクチンを分解して短鎖脂肪酸を作ります。水溶性ペクチンとビフィズス菌および短鎖脂肪酸に関する研究報告が次々と公表されるようになっています。


(分析結果例4)水溶性ペクチン(パパイヤペクチン)
分析試験項目 結 果 方 法
水溶性ペクチン 6.9g/100g m-ヒドロキシジフェニル法
不溶性ペクチン 1.8g/100g m-ヒドロキシジフェニル法
全ペクチン 8.7g/100g (合 計)



その4:β-クリプトキサンチン
 青パパイヤの凍結乾燥物には、クリプトキサンチンが含まれています。そのほとんどがβ型の分子構造をしています。
 β-クリプトキサンチンは、ビタミンEと共にカルシウムが骨に定着するときに必要な物質です。骨の主成分がカルシウムであることから、カルシウム剤などが開発されてきました。しかし、カルシウム単独では骨に定着しにくいことが分かってきました。 β-クリプトキサンチンとビタミンEを同時に摂取する必要があるのです。
 β-クリプトキサンチンは、ミカンに含まれています。ビタミンEは、古代米の胚芽に含まれています。

 しかし、季節物のミカンを毎日食べ続けるというのは現実的ではありません。あまり食味の良くない古代米も常食しなくなってきました。青パパイヤの生(凍結乾燥)を毎日食べ続ける食文化は、いつまでも骨を丈夫にしてくれることにもつながります。


(分析結果例5)クリプトキサンチン(主としてβ型)
分析試験項目 結 果 方 法
クリプトキサンチン 42㎍/100g 高速液体クロマトグラフ法


骨塩定量検査


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