短鎖脂肪酸について


 象・牛・馬・ヌーなどの大型の草食動物は、草に含まれている繊維質(ペクチンを含む)を消化器官で発酵分解して、エネルギー源にしています。その時、生成されてエネルギー源になるのが「短鎖脂肪酸」です。 主な短鎖脂肪酸には、酢酸プロピオン酸酪酸があります。

 雑食性の人間にとって、短鎖脂肪酸はそれほど重要視されていませんでした。ところが、腸内フローラの研究が進み、短鎖脂肪酸は人の生命活動にとって大変重要であることが分かってきました。さらに、人の腸内環境と情緒の安定について、神経伝達物質の立場から説明されるようになってきました。




東南アジアの青パパイヤ発酵技術と象の生態観察

 インド・東南アジアでは、青パパイヤを生で食べるだけではなく、多様な方法で発酵して食べる食文化が存在しています。沖縄でも同様です。
 日本でも流通している東南アジア産の発酵青パパイヤは、デキストロースやブドウ糖を添加して酵母発酵している製品が主流です。この場合、発酵物にブドウ糖が残っており、甘味を感じて好評のようです。
 一方で、一部のタイ・インドの研究者からブドウ糖の常食に問題があるという指摘がなされました。糖類の過剰摂取については、日本の一部の研究者からも指摘がなされています。もともと、青パパイヤにデキストロースやブドウ糖を添加した発酵食品の食文化は存在していませんでした。 ブドウ糖は疲れたときなどには有効ですが、日常的に連続摂取することには疑問を投げかける研究者も存在しています。

東南アジアの青パパイヤ発酵技術

 この青パパイヤ発酵食品は、発酵物の絞り汁を乾燥して商品化されています。未発酵物の食物繊維やペクチンは絞りかすとして捨てられていました。 ところが現地の農家は、この捨てられた絞りかすを持って帰り、牛や象に食べさせていることが分かってきました。

 タイやインドネシアでは、芸をする観光用の象が存在しています。タイで芸をする象小屋を見学してみました。(王室関係の研究所)
 一番驚いたことは、象が長生きしていることです。他の象小屋と違って独特の臭気が全くしなく、全ての象が落ち着いて生活していました。

 象使い(研究者)の説明では、象にリンゴやバナナのような糖類を与えるのではなく、「青パパイヤの発酵絞りかす」を与えているということでした。
 もともと、牛・象・馬・ヌーなどの大型の草食動物は、甘い糖類を食べません。草に含まれる食物繊維(セルロース・ペクチン)を食べて、短鎖脂肪酸に消化しています。 草食動物の生命を支えているエネルギー源は、この短鎖脂肪酸です。




短鎖脂肪酸の生成と役割

 代表的な短鎖脂肪酸は、酢酸プロピオン酸酪酸です。
 草食動物は、食べた草の主成分である繊維質を消化して短鎖脂肪酸にしています。特に、繊維質に含まれる水溶性ペクチンは、腸内細菌にとって短鎖脂肪酸を生成する主成分になっています。

短鎖脂肪酸の種類

 近年、人の腸内でも短鎖脂肪酸が生成されていることが分かってきました。その中心的役割を果たしているのがビフィズス菌(乳酸菌の仲間)です。乳酸菌が作り出す短鎖脂肪酸に関して、研究報告が次々と公開されています。

 最近では、腸内フローラの問題に絡んで、テレビ番組でも取り上げられるようになってきました。上行結腸のぜん動運動を盛んにし、悪玉菌による腸内腐敗を抑制する研究も行われています。 上行結腸での腐敗物はS状結腸や直腸に溜るため、ポリープやガンの発生に結びつく可能性があると指摘されています。

 水溶性の食物繊維の多くはペクチンです。中でも水溶性のパパイヤペクチンはよく知られていて、パパイヤ茶などにも利用されています。
 腸に達した水溶性ペクチンは、ビフィズス菌によって発酵分解されます。その結果、腸内に短鎖脂肪酸が生成されます。腸内で生成された短鎖脂肪酸には、大きく3つの働きがあると報告されています。

短鎖脂肪酸の役割


短鎖脂肪酸に関する研究報告と厚生労働省発表資料

短鎖脂肪酸に関する研究報告例をまとめてみました。

短鎖脂肪酸の研究報告例

 近年、潰瘍性大腸炎やクローン病の患者数が急増しています。(厚労省発表)
 また、女性のガン死亡率の第1位が大腸ガンになったと発表されています。

潰瘍性大腸炎やクローン病の患者数

 防腐剤などの食品添加物によって、腸内のビフィズス菌の活動が低下しているのではないかと指摘されています。学問上の正確な原因については、不明な部分が残されており、当面自己防衛をすることが大切です。
 腸内の活動を活性化するには、大きく3つのことが必要とされています。(下図参照)

腸内フローラの活性と安定を促す「食」


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