青パパイヤ共生発酵技術の誕生


 青パパイヤに含まれる豊富な水溶性のパパイヤペクチンは、大型の草食動物や人の腸内環境を整え、「健康長寿」に結びつくことが分かってきました。
 もしこの自然発酵現象を技術化できたなら、今まで廃棄していた青パパイヤの皮やペクチンを短鎖脂肪酸に発酵分解できることになります。 腸内環境の悪化が急激に増えている中で、青パパイヤの新しい有効利用の技術開発が求められるようになってきました。


青パパイヤの自然発酵
 新しい青パパイヤの発酵技術が追求されるようになってきました。特に短鎖脂肪酸を生成する発酵技術の研究は、インド・タイなどで盛んに行われています。
 青パパイヤを水分・温度・日光を一定条件にして放置しておくと、繊維質が自然分解していきます。この自然分解物を分析してみると、嫌気性の乳酸菌好気性の酵母が同時に働いていることが分りました。 自然界の中で起っている共生発酵現象です。糠漬けやキムチの中で起っている現象と同じ現象です。

乳酸菌と酵母の共生発酵現象


共生発酵に使用する微生物と素材(培地)

 嫌気性の乳酸菌と好気性の酵母によって共生発酵を行うには、「相性」が大切です。長い間の試行錯誤の結果、琵琶湖近郊の伝統食ふなずし由来の乳酸菌SU6と、青パパイヤ付着由来のパパイヤ酵母PY3の相性が良いことを発見しました。
 いずれも、古くから人々が食べ続けてきた微生物であり、遺伝子解析による安全性の確認も行っています。特に乳酸菌SU6は、学会での研究発表も行われており、菌株は特許になっています。
 青パパイヤの皮に含まれる強いセルロースを発酵分解する技術は、世界で初めての技術であると評価されています。乳酸菌SU6に関しては、学会での研究報告が存在しています。(日本臨床食物機能研究会)


【 乳酸菌SU6 】
 ●琵琶湖近郊の伝統食ふなずしより
  分離培養
 ●特許所有(菌株寄託)

【 パパイヤ酵母PY3 】
 ●国内の青パパイヤ付着酵母より
  分離培養して菌株所有
 ●遺伝子解析により安全性確認

 青パパイヤを共生発酵する一番の目的は、発酵によって短鎖脂肪酸を生成することと補酵素であるビタミンB群を生成することです。そのため、培地として同時に発酵できる自然食品について研究を重ねてきました。
 青パパイヤは南国の食であり、東洋医学では陰の食とされています。そこで、北国の食であり、東洋医学では陽の食とされているビートオリゴ糖に着目しました。


【 青パパイヤ 】
 南国の食(陰の食)
 ●消化酵素および抗酸化物質を
  豊富に含む

【 ビートオリゴ糖 】
 北国の食(陽の食)
 ●寒くなると凍結しないために
  ショ糖とオリゴ糖を作る

 青パパイヤとビートオリゴ糖を乳酸菌SU6とパパイヤ酵母PY3で共生発酵すると、短鎖脂肪酸補酵素(ビタミンB群)が生成されます。 同時に、ビートオリゴ糖を多めに投入して、発酵物に未発酵のビートオリゴ糖が残るように工夫しています。この未発酵のビートオリゴ糖は、そのまま腸内のビフィズス菌の餌になるようにしています。 さらに、乳酸菌と酵母をオートクレーブで死菌にして、全体でプレバイオティクスの技術にしています。

ビートオリゴ糖は唯一の天然オリゴ糖


青パパイヤ共生発酵凍結乾燥粉末の分析例
その1、短鎖脂肪酸

 青パパイヤとビートオリゴ糖を乳酸菌と酵母で共生発酵した場合、多くの人は主として乳酸が生成されると考えています。
 しかし、乳酸菌SU6とパパイヤ酵母PY3を利用すると、セルロースや水溶性ペクチンを発酵分解して短鎖脂肪酸を生成することができます。この場合、発酵時間を工夫すると、プロピオン酸や酪酸を最もシンプルな短鎖脂肪酸である酢酸にすることができます。 宮崎県では、この酢酸を利用した養豚や養鰻の技術が開発されています。腸内環境が改善され、高付加価値の豚や鰻が出荷されています。腸内腐敗が抑制され、肉質の向上と病気の発生がほとんど見られないのが特徴です。


(分析結果例1)短鎖脂肪酸
分析試験項目 結 果 抽出限界 方 法
酢酸 190mg/100g 高速液体クロマトグラフ法
プロピオン酸 検出せず 10mg/100g 高速液体クロマトグラフ法
酪酸 検出せず 10mg/100g 高速液体クロマトグラフ法

<分析依頼>株式会社日本食品機能分析研究所



その2、乳酸菌・酵母

 同時に、共生発酵によって増殖した乳酸菌SU6とパパイヤ酵母PY3をオートクレーブ(蒸気高圧殺菌)によって全て死菌にすることができます。 この死菌群は、そのままプレバイオティクスとして利用することができます。その結果、腸内腐敗の抑制につながっていくことが期待されます。


(分析結果例2)乳酸菌・酵母
分析試験項目 結 果 抽出限界 方 法
乳酸菌SU6
(死菌)
108~109個/g 自社培養測定
パパイヤ酵母PY3
(死菌)
107~108個/g 自社培養測定

<分析依頼>自社培養測定



その3、補酵素

 補酵素の代表的な物質がビタミンB群です。通常の食事で特に欠乏しないのは、ビタミンB12ぐらいとされています。中でもビタミンB1・B2・B6は、代謝酵素の働きには欠かせない補酵素です。 またビタミンB9は、DNAや核酸を合成する酵素の働きを助けます。さらにビタミンB3・B5・B7は、全体的な代謝活動を助ける補酵素として働いています。
 青パパイヤとビートオリゴ糖を培地にして共生発酵すると、ビタミンB群が生成されます。天然のマルチビタミン剤としても利用することが可能です。
 乳酸菌SU6とパパイヤ酵母PY3の共生発酵によって、ビタミンB群をバランスよく生成できます。これは、今までにない発酵技術です。


(分析結果例3)補酵素として
分析試験項目 結 果 主な補酵素としての働き
ビタミンB1 30㎍/100g 主に炭水化物(糖)を代謝する酵素の働きを助ける
ビタミンB2
60㎍/100g 主に脂質(脂肪)を代謝する酵素の働きを助ける
ビタミンB3
(ナイアシン)
11,000㎍/100g エネルギー代謝中の酸化還元酵素の働きを助ける
ビタミンB5
(パントテン酸)
380㎍/100g 脂質・糖質・タンパク質を代謝する酵素の働きを助ける
ビタミンB6
100㎍/100g 主にタンパク質(アミノ酸)を代謝する酵素の働きを助ける
ビタミンB7
(ビオチン)
1.1㎍/100g 脂質・糖質・タンパク質を代謝する酵素の働きを助ける
ビタミンB9
(葉酸)
73㎍/100g 主にDNA・核酸を合成する酵素の働きを助ける

<分析依頼>株式会社日本食品機能分析研究所

※注:ビタミンB4・ビタミンB8・ビタミンB10については、現在ビタミンとして存在していないとされています。





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